生活費を節約するため、電気代をすこしでも安くしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。電気代を下げるためには、電気代が決まる仕組みについてきちんと知ることが大切です。
本記事では、電気代の計算方法や内訳、家電別の電気代の目安、一般家庭での電気代の平均などについて詳しく解説します。代表的な節約方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
請求される電気代の計算方法
まずは、請求される電気代の計算方法をみていきましょう。電気代は、以下の計算式で算出されます。
1か月の電気代(円)=基本料金または最低料金(円)+電力量料金×電気使用量(円)±燃料費調整額(円)+再生可能エネルギー発電促進賦課金(円)
1か月の電気代は、単に基本料金だけを支払うのではない点に注意しましょう。続いて、この内訳について詳しく解説します。
電気代の内訳
電気代は、一般的に以下のような内訳になっています。
・①基本料金
・②電力量料金×電気使用量
・③燃料費調整額
・④再生可能エネルギー発電促進賦課金
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
①基本料金
電気代の基本料金とは、電気の使用量にかかわらず、毎月定額で発生する料金のことです。基本料金の金額は電力会社の契約プランによって異なり、大きく分けて「アンペア制」と「最低料金制」の2つがあります。
「アンペア制」は、契約するアンペア数が大きくなるにつれて基本料金が上がっていくプランです。一方、「最低料金制」は、アンペア数にかかわらず、1契約あたりの最低料金が決められているプランを指します。
②電力量料金×電気使用量
電力量料金は、使用した電力量に応じて発生する料金です。一般的には、電気1kWhに対して料金単価が設定されています。料金単価は3段階に分かれていることが多く、電力を使えば使うほど料金単価が高くなっていく仕組みになっています。
③燃料費調整額
燃料費調整額とは、発電に必要な燃料の価格変動を電気代に反映させる仕組みのことです。例えば、発電に必要な燃料費が基準となる価格よりも高ければ電気代に加算され、反対に基準となる価格よりも安ければ、電気代から減算されます。
燃料費調整額は、貿易統計における原油価格や液化天然ガス価格から算出される額となっています。その時々の価格に応じて変動し、世界的な燃料価格の高騰などがあった場合は、燃料費調整額が上がることがあります。
参照:資源エネルギー庁 – 経済産業省「燃料費調整制度について」
④再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、再生可能エネルギーをいまよりさらに普及させることを目的とし、電気代に上乗せされる賦課金のことです。電気事業者には、再生可能エネルギーで発電された電気を決まった期間・価格で買い取ることが義務付けられています。再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電力会社の再生可能エネルギーの買い取りに必要な費用の一部を、電気の使用者がその使用量に応じて負担する仕組みです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は、国が定めた全国一律の価格となっており、実際の負担額は毎月の電気使用量に比例する形となっています。
参照:資源エネルギー庁 – 経済産業省「制度の概要|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー」
家電の電気代の計算方法
普段使っている家電の電気代がそれぞれどのくらいなのか、気になる方は多いでしょう。家電の電気代を計算するには、以下の計算式を使います。
家電の電気代=1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(h)×料金単価(円/kWh)
家電の電気代は、1時間あたりの消費電力に使用時間と料金単価を掛けて計算します。電力料金は契約している電気事業者によって異なるため、ここでは全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として定めている料金単価を参照します。以下では実際に、令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込)を使って計算してみましょう。
参照:公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会「よくある質問 Q&A」
家電ごとの電気代の相場
ここからは、家電ごとの電気代の相場をみていきましょう。多くのご家庭にある以下の家電の電気代の相場を解説します。
・エアコンの電気代の相場
・冷蔵庫の電気代の相場
・テレビの電気代の相場
・照明器具の電気代の相場
各家電の電気代の相場を確認し、節電のための参考にしてみてください。
エアコンの電気代の相場
エアコンを1か月使用したときの電気代を計算していきます。ここでは以下の条件で考えてみましょう。
・消費電力:0.8kW
・1か月あたりの使用時間:240時間(1日あたり8時間×30日間)
・料金単価:31円/kWh
家電の電気代を計算する際、消費電力は各製品の取扱い説明書などで確認できます。例えば、800Wと記載されている場合は1,000で割り、kWに変換して0.8kWとします。0.8kWのエアコンの1か月あたりの電気代は、以下のように計算できます。
0.8kW×240時間×31円/kWh=5,952円
よって、消費電力が0.8kWのエアコンを1か月使用した場合の電気代は5,952円と求められます。
冷蔵庫の電気代の相場
冷蔵庫の場合は、取扱説明書などに記載されている年間消費電力量をもとに電気代を計算します。消費電力と料金単価は、以下の条件で考えてみましょう。
・年間消費電力量:300kWh
・料金単価:31円/kWh
この場合、年間の電気代は以下のように求められます。
300kWh×31円/kWh=9,300円
1か月の電気代を求める場合は、年間の電気代を12で割ることで計算できます。この冷蔵庫の場合、1か月あたりの電気代は775円になります。
ただし、冷蔵庫は季節によって消費電力が変わるため、一つの目安ととらえましょう。また、冷蔵庫は小型のものよりも大型のもののほうが年間消費電力量がすくないこともあります。サイズが小さいからといって電気代が安いとは限らないため、購入の際は必ず確認しましょう。
テレビの電気代の相場
テレビの電気代を計算する際、消費電力は「定格消費電力」(全機能を最大限に使った場合の消費電力)をもとに算出します。テレビの電気代は視聴する時間によって大きく変わるため、ここでは以下の条件で考えてみましょう。
・消費電力(定格消費電力):0.085kW
・1か月あたりの使用時間:60時間(1日あたり2時間×30日間)
・料金単価:31円/kWh
この場合、1か月あたりのテレビの電気代は、以下のように計算できます。
0.085kW×60時間×31円/kWh=158.1円
よって、消費電力が0.085kWのテレビを1か月使用した場合の電気代は月に158.1円になります。
テレビの消費電力は、画面のサイズや種類、画質(FHD・4Kなど)などの要素に左右されるため、確認しておきましょう。
照明器具の電気代の相場
家庭で使用する照明は、蛍光灯とLEDが一般的です。ここでは、蛍光灯を以下の条件で1か月使用した際の電気代を計算します。
・消費電力:0.08kW
・1か月あたりの使用時間:240時間(1日あたり8時間×30日間)
・料金単価:31円/kWh
この場合の蛍光灯の1か月あたりの電気代は、以下のように計算できます。
0.08kW×240時間×31円/kWh=595.2円
よって、消費電力が0.08kWの蛍光灯を1か月使用した場合の電気代は595.2円と求められます。LEDの場合は蛍光灯に比べて消費電力がすくなく、同程度の明るさであっても消費電力が半分ほどになることがあります。購入時の価格は高くなりますが、蛍光灯よりも長期間使えるため、LEDを導入する家庭が増えているようです。
一般家庭の平均の電気代
次に、一般家庭の平均の電気代がどのくらいなのかを見ていきましょう。単身者の世帯と二人以上の世帯別に分けて解説します。
世帯人数 | 月間の電気代の平均 |
単身 | 6,756円 |
二人以上 | 12,008円 |
総務省統計局の家計調査によると、単身者世帯の平均電気代は6,756円です。年間で81,072円、1日あたり約222円の電気代が発生していることになります。一方、二人以上世帯の月間の平均電気代は12,008円で、年間で144,096円、1日あたり約395円となります。
参照:e-Stat 統計で見る日本「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2024年 」
参照:e-Stat 統計で見る日本「家計調査 2024年「第1-1表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり1か月間の収入と支出」
平均の電気代と、自身の毎月の電気代と比較してみましょう。平均よりも高くなっている場合は、節約の余地があるかもしれません。
電気代を節約する方法4選
電気代を節約したいけれど何から始めて良いかわからない、という方は多いのではないでしょうか。電気代を節約する方法には、主に以下の4つがあります。
・利用中の家電の消費電力の削減
・最新の家電の使用
・電力会社の契約プランの見直し
・セット割やキャンペーンの活用
それぞれの節約方法について、一つずつ解説します。
利用中の家電の消費電力の削減
家電の消費電力を削減することで、電気代を節約できます。前述のとおり、家電の電気代は消費電力によって左右されます。そのため、照明やエアコンは必要なときにだけ利用する、家電に搭載されている省エネモードを活用するといった対応がおすすめです。
また、家電はコンセントにつながっているだけで待機電力が発生しています。テレビや電子レンジなど、長時間使用しない家電がある場合は、こまめに電源コードをコンセントから抜いておきましょう。
最新の家電の使用
最新の家電は、古い家電に比べて消費電力がおさえられています。近年では性能の高い家電ほど消費電力がすくなく、電気代を節約できる設計になっているケースもあります。エアコンや冷蔵庫など、年間の電気代が高額になりやすい家電を長く使っている場合は、購入に一定のコストがかかったとしても、新しいものへの買い替えを検討してみましょう。
電力会社の契約プランの見直し
電力会社の契約プランの見直しや乗り換えによって、電気代をおさえられるケースがあります。電力自由化にともない、様々な事業者や料金プランが登場しています。
現在のプランが自分のライフスタイルに合っていない場合、必要以上に高い電気代を支払っている可能性があります。日中あまり自宅にいない方は深夜の電気代が安くなるプランを選ぶなど、家庭にあったプランを契約することが電気代の節約につながります。
セット割やキャンペーンの活用
電力会社やプランによっては、セット割やキャンペーンを利用してお得に契約できることがあります。セット割では、電気やガスとスマホをセットで契約することで月々のスマホ代が割引される、といった特典が受けられます。そのほか、電気代に応じたポイント還元や、契約することでデジタルギフトがプレゼントされるキャンペーンなどもあります。電力会社を乗り換える際は、割引サービスやキャンペーンも確認したうえで検討しましょう。
電気代を計算して家計を見直そう
ここまで、電気代の計算方法や電気代の内訳から、家電別の電気代の相場や電気代を節約する方法などを解説してきました。電気代の計算方法を知ることは、節約の第一歩です。
自宅の電気代を把握したうえで、消費電力の削減や消費電力のすくない家電への買い替え、契約プランの見直しなどの節約を試してみましょう。電力会社の乗り換えなどを検討する際は、セット割やキャンペーンの有無を確認することも大切です。
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