
インターネットの導入を検討する際、有線LANと無線LANのどちらを利用するか悩んだことはありませんか。
有線LANは通信の品質が安定しやすく、無線LANはスマホやタブレットなどを場所を選ばずに接続できるというメリットがあります。自分自身の使い方や利用環境に適した形を選ぶためにも、それぞれの特徴や違いを理解しておくことが大切です。
本記事では、有線LANと無線LANの違いやメリット・デメリット・選び方・用途別の使い分け方をわかりやすく解説します。快適なインターネット環境を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも「LAN」とは
LANとは「Local Area Network」の略で、家庭やオフィスなど限られた範囲で機器同士をつなぐネットワークのことです。パソコンやスマホ、プリンター、テレビなどをインターネットやルーターに接続する際に使われます。
たとえば、家庭内で複数の端末をインターネットにつないだり、1台のプリンターを複数人で共有したりする仕組みもLANの一種です。LANには、LANケーブルという物理的な線を使って接続する有線LANと、目に見えない電波や赤外線で接続する無線LANがあります。
有線LANと無線LANの違い

有線LANと無線LANの大きな違いは、機器をケーブルでつなぐか、電波でつなぐかです。
有線LANは、通信速度や安定性を重視したい場面に向いています。無線LANはケーブルが不要のため、家の中で移動しながら使う場合にも便利です。
それぞれの違いを以下の表で確認してみましょう。
| 比較項目 | 有線LAN | 無線LAN |
| 接続方法 | LANケーブルで接続する | ケーブルを使わずに接続する |
| 通信速度 | 速く安定しやすい | 環境により変わりやすい |
| 安定性 | 電波干渉を受けにくい | 壁や距離の影響を受けやすい |
| セキュリティ | 外部から接続されにくい | パスワードによる管理が必要 |
| 利用範囲 | ケーブルの届く範囲に限られる | 家の中で移動しながら使いやすい |
| 配線の手間 | ケーブル配線が必要 | 配線の手間が少ない |
| 向いている用途 | オンラインゲーム、動画視聴、在宅勤務 | スマホ利用、家族での共有、日常生活における利用全般 |
通信の安定性を重視するなら有線LAN、手軽さを重視するなら無線LANを選ぶと良いでしょう。
有線LANとは
有線LANとは、データを電気の信号に変換し、LANケーブルの中を通して機器に直接送り届ける仕組みです。パソコンやテレビなどのLANポートにケーブルを差し込むことで、ONU・ルーターなどと物理的につなぎます。
有線LANはケーブルで直接つなぐため、電波の影響を受けにくく、通信が安定しやすくなります。
ルーターやONUの違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>モデム・ONU・ルーターの違いとは?それぞれの役割や接続方法も解説
無線LANとは
無線LANとは、LANケーブルを使わず、目に見えない電波でネットワークに接続する方法です。ルーターから発信される電波をスマホなどが受信することで、ケーブルなしでインターネットを利用できます。
LANケーブルを差し込む必要がないため、リビングや寝室など、家の中を移動しながら使いやすいのが特徴です。なお、無線LANと似た言葉に「Wi-Fi」があります。
無線LANとWi-Fiとの違い
無線LANは、電波を使って機器をネットワークに接続する仕組み全体を指す言葉です。一方で、Wi-Fiは無線LANで使われる通信規格の一つです。つまり、無線LANという大きな仕組みの中に、Wi-Fiが含まれていると考えるとわかりやすいでしょう。
ただ、家庭や店舗では「Wi-Fiにつなぐ」「無線LANを使う」といった形で、ほぼ同じ意味で使われることが一般的です。そのため、日常的には無線LANとWi-Fiの区別は意識しすぎなくても通じるシーンが多いでしょう。
有線LANのメリット
有線LANと無線LANでとくに違いが出るのが、通信の安定感です。有線LANはLANケーブルで機器を直接つなぐため、電波干渉や距離、壁などの障害物による影響を受けにくくなります。動画視聴やオンラインゲーム、Web会議などで通信が途切れやすくて気になる場合は、有線LANに切り替えることで改善する可能性があります。
また、物理的にケーブルを接続することで、無線LANに比べて外部から勝手に接続されにくく、セキュリティ面でも安心して使いやすいのも、有線LANのメリットです。
有線LANのデメリット
一方で、LANケーブルの配線が必要なこと自体がデメリットとも捉えられます。ルーターからパソコンやテレビにまでケーブルを伸ばすため、部屋のレイアウトによっては設置に手間がかかることや、人によっては見栄えが気になることもあるでしょう。
また、ケーブルが届く範囲でしか使えないため、スマホやノートパソコンを複数の部屋をまたいで使う場合には向いていません。端末によっては、LANポートが搭載されていないこともあります。その場合は、USB LANアダプターなどの機器を用意する必要があるでしょう。
無線LANのメリット
無線LANのメリットは、LANケーブルを使わずにインターネットへ接続できることです。配線を気にする必要がないため、スマホやタブレット・ノートパソコンを好きな場所で利用できます。
たとえば、リビングで動画を見たり、寝室でSNSを確認したりするときにも便利です。また、複数の端末を同時に接続しやすいため、家族でスマホやパソコンを使う家庭にも向いています。オフィスにおいても、一定の範囲内であればパソコンやスマホを物理的な線の長さに関わらず自由に接続しやすいというのが大きな利点です。
無線LANのデメリット
反対に、無線LANのデメリットは、利用環境によって通信が不安定になりやすいことです。電波で接続するため、壁や家具・電子レンジなどの家電の影響を受ける場合があります。
また、ルーターから離れるほど速度が低下しやすくなります。接続している端末が多い場合は、通信が混雑することもあるでしょう。さらに、パスワード管理や暗号化設定が不十分だと、不正アクセスのリスクが高まるため注意が必要です。
無線LANの通信環境を改善したい方は、以下の記事を参考にしてください。
>>Wi-Fiルーターの置き場所はどこが最適?電波が弱いときの対処法も
接続機器から離れた部屋へ有線LANを接続する方法
モデムやルーター・ONUをリビングに置いたまま離れた部屋で有線LANを使うには、LANケーブルの配線方法を工夫する必要があります。
手軽に始めやすいのは、ドアの隙間や壁際、床の端に沿ってケーブルを通す方法です。ケーブルの見た目や足を引っかけるリスクが気になる場合は、配線カバーを使うとすっきりと整理できるでしょう。
室内での配線が難しい場合は、屋外を経由して別の部屋へ引き込む方法もあります。住宅に空配管がある場合は、その中にLANケーブルを通す方法もあります。空配管とは、将来の配線に備えて壁の中に設置されている管のことです。自分だけで作業をするのが難しい場合も多いので、無理せず専門の工事業者などへ依頼するのが良いでしょう。
LANケーブルの選び方
LANケーブルを選ぶ際は、カテゴリごとの最大通信速度と伝送帯域を確認しましょう。伝送帯域とは、一度に送れるデータ量の目安です。数値が大きいほど高性能ですが、家庭用では高ければ良いとは限りません。
| カテゴリ | 最大通信速度 | 伝送帯域 |
| CAT5e | 1Gbps | 100MHz |
| CAT6 | 1Gbps | 250MHz |
| CAT6A | 10Gbps | 500MHz |
| CAT7 | 10Gbps | 600MHz |
| CAT8 | 40Gbps | 2,000MHz |
一般家庭で使うなら、10Gbps通信にも対応できるCAT6Aがおすすめです。CAT7やCAT8は主に業務用のため、家庭用機器では性能を十分に活かせない場合があります。一般家庭用のルーターやゲーム機はCAT7やCAT8に適した仕組みを持っていないため、ノイズを拾ってしまい、かえって通信が不安定になるリスクがあります。
有線LANと無線LANのおすすめの使い分け方

有線LANと無線LANは、それぞれ向いている用途が異なります。通信の安定性を重視する機器は有線LAN、自由に移動しながら使う端末は無線LANと使い分けると、より快適なインターネット環境を整えやすくなります。
ここでは、おすすめの使い分け方を紹介します。
速度や安定性を重視するなら有線LAN
通信速度や安定性を重視するなら、有線LANがおすすめです。オンラインゲームやWeb会議では、少しの遅延や接続切れがストレスになってしまうことも少なくありません。有線LANならば、大容量データをやり取りする場面でも、安定した通信を確保しやすいでしょう。
また、デスクトップパソコンやテレビ・ゲーム機など、設置場所が固定されている機器にも適しています。動かす機会が少ない機器は、有線LANで接続すると快適に使いやすくなるでしょう。
スマホやタブレット中心なら無線LAN
スマホやタブレットを中心に使うなら、無線LANが向いています。スマホやタブレットは持ち運びながら使うことが多いため、ケーブルを接続する有線LANとは相性が良くありません。無線LANであれば、リビングで動画を見たり、寝室でSNSを確認したり、キッチンでレシピを調べたりできます。場所を移動しながらインターネットを使いたい場面に便利です。
また、スマートスピーカーやロボット掃除機など、IoT家電の操作にも向いています。家族が多く、利用したいデバイスが多い場合にも、ケーブルを接続する必要がないため、複数台のスマホやタブレットを同時に使いやすいでしょう。
有線LANと無線LANは同時に使える
有線LANと無線LANは、同時に使うことができます。家庭内では、固定して使う機器は有線LAN、持ち運ぶ機器は無線LANと使い分けると便利でしょう。たとえば、パソコンやテレビ・ゲーム機は有線LANで接続し、スマホやタブレットは無線LANで使う方法がおすすめです。
安定性を確保しやすい有線LANと利用範囲に強みがある無線LAN、それぞれを組み合わせることで、通信の安定性と使いやすさの両方を確保しやすくなるでしょう。
ネットワークの優先接続とは
ネットワークの優先接続とは、有線LANと無線LANの両方に接続している場合に、どちらの通信を優先して使うかを決める設定です。一般的には、パソコンにLANケーブルを挿すと、有線LANが自動で優先されます。有線LANを優先すると電波の影響を受けにくくなるため、通信の切断やラグを抑えやすくなります。
Windowsでは、必要に応じて「インターフェイスメトリック」を変更することで、ネットワークの優先順位の調整が可能です。インターフェイスメトリックとは、Windowsが「どのネットワーク接続を優先して使うか」を判断するための数値です。
パソコンが有線LANと無線LANの両方に接続されている場合、Windowsはそれぞれの接続に設定されたインターフェイスメトリックを比較し、数値が小さいほうを優先して通信に利用します。
たとえば、有線LANのメトリックが「10」、無線LANのメトリックが「50」に設定されている場合は、有線LANが優先されます。特定のネットワークを優先して使いたい場合は、インターフェイスメトリックの値を調整すると良いでしょう。
有線LANと無線LANの違いを理解して使い分けよう
有線LANと無線LANは、接続方法や通信の安定性、利便性に違いがあります。通信速度や安定性を重視するなら有線LAN、スマホやタブレットを家の中の好きな場所で使いたいなら無線LANが向いています。
有線LANと無線LAN、それぞれの特徴を理解しておくことで、より使用機器や用途に合ったインターネット環境が手に入るでしょう。自宅のインターネット環境がより快適なものになるよう整えていきましょう。
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