光回線は大きく「戸建て向けファミリータイプ」と「マンション向けマンションタイプ」の2種類に分類できますが、両者の違いをご存知でしょうか?
それぞれ、物件タイプに合わせたプラン内容となっていますが、違いはそれだけではありません。
今回は、「ファミリータイプ(戸建てタイプ)」に重点を置いて、サービス概要や工事内容、マンションタイプとの違いについて解説します。
マンションなどの集合住宅で「ファミリータイプ(戸建てタイプ)」を利用することもできますので、これから光回線の申し込みや乗り換えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
光回線のファミリータイプとは?
ファミリータイプ(戸建てタイプ)とは、主に戸建て向けに用意された光回線プランです。その特徴は、以下の通り。
・回線を直接引き込む
・マンションタイプと比較すると料金は高め
・宅内工事と屋外工事が必要
回線を直接引き込む
ファミリータイプ(戸建てタイプ)の光回線は、電柱からお住まいの戸建て(集合住宅の場合はお住まいの部屋)に光回線を直接引き込む方式を取ります。
マンションタイプと比較すると料金は高め
ファミリータイプ(戸建てタイプ)の月額料金は、マンションタイプよりも高額です。
宅内工事と屋外工事が必要
ファミリータイプ(戸建てタイプ)の利用には、宅内工事と屋外工事が必要です。それぞれの工事には立ち会いが必要で、かかる時間はそれぞれの工事で1~2時間ほど。
工事のタイミングは申し込みから1ヶ月~2ヶ月後が相場(戸建ての場合)ですが、繁忙期の場合は工事まで2ヶ月以上かかることもありますので、余裕をもって申し込みましょう。
それぞれの工事の内容は、以下の通りです。
宅内工事
屋外工事の内容は、「最寄りの電柱から自宅の外壁まで光ケーブル(光ファイバーのケーブル線)を通す」というもの。
光回線を自宅まで引き込むために、外の電柱と自宅を光ケーブルでつなげるのが、屋外工事の目的です。
宅内に配線する方法はいくつかあり、一般的に下記の順序で実施の可否かを試すことになります。
- 電話線の配管を利用して配線する
- エアコンダクトを利用して配線する
- 壁に穴を開けて配線する
電話線の配管からの入線を試し、それが無理な場合はエアコンダクトを利用、それもできない場合は壁に穴を開けるという順序です。
屋外工事
宅内工事の内容は、「屋外工事で引き込んだ光ケーブルを室内に通し、光コンセントを設置する」というものです。光ケーブルを入線した後に、光コンセントを設置して室内にONU(回線終端装置)を設置します。
ONU(無線Wi-fiルーター)の設置場所を工事担当者から確認されますので、パソコンを有線接続する場合はパソコンの利用頻度が高い部屋に設置すると良いでしょう。また、自宅内に無線LANを構築してWi-Fi接続する場合は、よく利用するお部屋に設置することをおすすめします。
上記2つの工事が完了すれば、光回線の工事は完了です。光回線事業者によって2つの工事が別日になりますので、日程調整のうえ工事に立ち会ってください。
ファミリータイプとマンションタイプの違い
集合住宅向けに提供されている「マンションタイプ」がありますが、主な違いは以下の通りです。
ファミリータイプ (戸建てタイプ) |
マンションタイプ | |
配線方式 | 光配線方式 | 光配線方式 VDSL方式 LAN配線方式 ※NURO 光は光配線方式のみ |
料金 | 高め | 安め |
工事内容 | 宅内工事 屋外工事 |
宅内工事 ※マンションに設備が導入されている場合 |
配線方式の違い
ファミリータイプ(戸建てタイプ)は電柱から光回線を引き込むため、ONUの直前まで光ファイバーが届いています。この方式は、光配線方式と呼ばれています。
対して、マンションタイプの配線方式は、物件によって下記の3つに分かれます。
配線方式 | 配線イメージ | 一般的な通信速度 |
光配線方式 | ・共用部分まで光ファイバー ・各部屋まで光ファイバー |
最大1Gbps |
VDSL方式 | ・共用部分まで光ファイバー ・各部屋まで電話回線 |
最大100Mbps |
LAN配線方式 | ・共用部分まで光ファイバー ・各部屋までLANケーブル |
最大1Gbps |
厳密な通信速度は光回線事業者によって異なりますが、一般的には光配線方式とLAN配線方式の最大速度は1Gbpsで、VDSL方式は100Mbpsです。
※NURO 光は光配線方式のみ提供
通信速度の違い
上記の通り、マンションタイプの通信速度は配線方式によっても異なります。VDSL方式のように共用部分から先の回線に電話回線が使用されている場合やLAN回線であっても規格の古いLANケーブルが使用されている場合は、それだけで通信速度は遅くなります。
料金の違い
一般的にファミリータイプ(戸建てタイプ)の方が高額、マンションタイプの方が低額という料金設定となっています。
各光回線業者ともに、マンションタイプの月額料金はファミリータイプ(戸建てタイプ)より1,000円~1,500円ほど安い設定です。
工事内容の違い
前述したように、ファミリータイプ(戸建てタイプ)の場合は宅内工事と屋外工事という2つの工事が必要です。
一方、マンションタイプですでに共用部まで光回線が導入されている場合は、必要な工事は宅内工事のみとなります。
光回線の工事に関する詳細は、以下で詳しくまとめています。併せて参考にしてください。
マンションなどの集合住宅にもファミリータイプの導入は可能
一般的に、「ファミリータイプ=戸建て向け回線」「マンションタイプ=集合住宅向け回線」という分類をされることが多いですが、実はファミリータイプの光回線をマンションなどの集合住宅で利用することも可能です。
その場合は、「集合住宅の自分の部屋に直接光回線を引き込む」という形式となります。
そのため、工事の手順などは戸建てにファミリータイプを導入する場合と変わりません。ただし、賃貸物件の場合は次の章でご紹介する点に注意が必要です。
マンションにファミリータイプを導入する場合の注意点
マンションにファミリータイプ(戸建てタイプ)の光回線を導入する際は、以下の点に注意しましょう。
・工事許可を取る必要がある
・開通までに時間がかかる
・月額料金が高くなる
それぞれの詳細は、以下の通りです。
工事許可を取る必要がある
マンションやアパートの一室に光回線を導入する際は、戸建ての場合と同様の工事が必要です。
場合によっては物件の壁に穴開けが必要になるため、賃貸物件の場合は入居者が管理会社や大家さんに工事許可を取らなければなりません。
当然ながら、許可が下りない場合もあります。事前に下記の記事をチェックして、許可をもらうコツを確認することをおすすめします。
>>賃貸で光回線を勝手に引くことは不可能?許可の取り方のコツは?
開通までに時間がかかる
ファミリータイプ(戸建てタイプ)の工事はマンションタイプより時間がかかります。
引越しシーズンなどの繁忙期には、さらに時間がかかる場合があります。
工事の許可を得るまでに時間がかかることもありますので、早めの申し込みを心がけましょう。
月額料金が高くなる
マンションプランの費用相場は月額4,000円~4,500円ほどですが、ファミリータイプ(戸建てタイプ)の場合は月額5,500円~6,000円かかります。
月額料金が高くなる点には注意が必要です。
以下の記事では「マンションにファミリータイプを導入するメリットとデメリット」をまとめていますので、併せて参考にしてください。
>>マンションでインターネットを個別契約するおすすめのメリットとデメリット
まとめ
光回線のファミリータイプは一般的に戸建て向けのプランですが、マンションやアパートなどの賃貸物件であっても利用可能です。
集合住宅にお住まいの方も、物件に導入されているマンションタイプと比較のうえ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。