「最近Wi-Fiの調子が悪い」「ルーターが古いけどまだ使えるの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。Wi-Fiルーターには寿命があり、長年使用していると通信速度の低下や接続不良などの不調が現れることがあります。
本記事では、ルーターの寿命の目安や買い替えを判断するサイン、調子が悪いときの対処法まで詳しく解説します。
快適なネット環境を維持するために、ぜひ参考にしてください。
目次
Wi-Fiルーターの寿命
Wi-Fiルーターの寿命は「本体」「通信規格」「セキュリティ」の3つの観点で考えましょう。
まず、本体そのものの寿命は4~5年が目安です。内部の電子部品が熱や経年劣化により性能低下を起こし、通信が不安定になることがあります。
Wi-Fiはおよそ2~6年おきに新しい通信規格がでており、新しい規格が登場すると、古い規格では速度や対応機器で不便を感じることが増えるでしょう。
【通信規格一覧】| 通信規格 | 概要 |
| Wi‑Fi 4(IEEE802.11n) | 2009年頃に策定 |
| Wi‑Fi 5(IEEE802.11ac) | 2013年頃に策定 |
| Wi‑Fi 6(IEEE802.11ax) | 2019年頃に策定 |
| Wi‑Fi 6E(IEEE802.11ax) | 2020年頃に策定 |
| Wi‑Fi 7(IEEE802.11be) | 2023年以降に認可 |
セキュリティ面からは2~5年が買い替えの目安です。古いルーターは最新の暗号化方式に対応しておらず、安全性が下がる可能性があります。快適に使い続けるためには、5年前後を目安に買い替えを検討するのがおすすめです。
Wi-Fiルーターの寿命が近づいているサイン
Wi-Fiルーターの寿命が近づくと、通信トラブルが起こりやすくなるため注意が必要です。主なサインは次の3つです。
・通信速度が遅くなる
・接続が不安定になる
・電源が入らなくなる
トラブルのサインを把握しておけば、寿命の兆候を見逃さず、買い替えの判断もしやすくなります。それでは、それぞれのサインについて詳しくみていきましょう。
通信速度が遅くなる
普段の作業中に「いつもよりネットが遅いな」と感じる場合、ルーターの寿命が近い可能性があります。内部の部品が劣化すると処理速度が低下し、通信速度に影響を与えることがあるからです。
また、本体が高温になると一時的に速度が落ちる場合もあります。通信環境を確認するには、通信速度を測定できるサイトを活用するのがおすすめです。
通信速度が遅くなる原因については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
>>マンションのWi-Fiが遅い理由と対策|備え付けの場合の対応策も
接続が不安定になる
「接続が途切れる」「繋がりにくい」といった状態が続く場合は、ルーターの不具合が疑われます。設定を変更していないのに接続が頻繁に切れる場合、機器の内部部品やアンテナの劣化による寿命の可能性もあるでしょう。
また、電波干渉など一時的な要因ではなく、同様の不具合が何度も続くようであれば交換を検討すべきタイミングです。安定した通信を保つためには、無理に使い続けず、早めの買い替えを意識しましょう。
電源が入らなくなる
本体の電源が入らない場合は、機器の故障や寿命をむかえている可能性があります。コンセントや電源アダプターに問題がないかを確認し、それでも起動しない場合は内部基板の劣化が原因かもしれません。
製品によってルーターの状態を示すランプの色や点滅速度は異なりますが、点灯状態からエラーの有無を判断できることもあります。取扱説明書やメーカーHPでランプの意味を確認し、改善しないようなら買い替えを検討しましょう。
Wi-Fiルーターの調子が悪いときの対処法
Wi-Fiの速度が遅い、接続が不安定と感じる場合でも、必ずしもルーターの寿命とは限りません。簡単な対処で改善するケースも多くあります。
買い替えの前に以下の6つの方法を試してみましょう。
・ルーターを再起動する
・接続周波数を変える
・設置場所を見直す
・同時接続数を減らす
・ソフトウェアを更新する
・周辺機器を見直す
詳しくは、以下の記事もぜひ参考にしてください。
>>インターネット回線が遅い時はどうする?5つの原因と7つの解決策を解説
ルーターを再起動する
Wi-Fiの速度が遅いと感じたときは、まずルーターの再起動を試してみましょう。長時間の稼働によって内部メモリが圧迫されると、処理が追いつかず速度が低下することがあります。
電源を抜いて10秒ほど待ち、再度接続するだけでキャッシュがリセットされ、一時的な不具合が解消されるケースも少なくありません。定期的に再起動する習慣をつけると、安定した通信を保ちやすくなります。
接続周波数を変える
Wi-Fiには、主に2.4GHzと5GHzの2種類の接続周波数帯があります。
2.4GHzは壁や家具などの障害物に強く、広い範囲で電波が届きやすいのが特徴です。ただし、電子レンジやBluetooth機器の影響を受けやすく、混雑しやすいという弱点もあります。
5GHzは干渉に強く、高速通信に適していますが、障害物には弱く、電波が届く範囲が狭くなりがちです。
速度が不安定なときは、使用環境に合わせて2.4GHzと5GHzを切り替えることで、通信の改善が期待できます。
設置場所を見直す
ルーターの設置場所が悪いと、電波が届きにくくなり、通信速度が不安定になることがあります。壁や家具などの障害物が近くにあると、電波が遮られて速度が落ちる原因になるため注意が必要です。
理想的なのは、部屋の中央付近で床から少し離れた位置に設置することです。さらに、利用する端末に近い場所に設置すると、より安定した通信が期待できます。
Wi-Fiルーターの設置場所に悩んでいる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
>>Wi-Fiルーターの置き場所はどこが最適?電波が弱いときの対処法も
同時接続数を減らす
Wi-Fiに同時接続している機器が多いと、電波が衝突してしまい速度が低下しやすくなります。スマホやパソコン、ゲーム機など複数の端末を同時に利用している場合は、使っていない機器の接続を一時的に切断してみましょう。接続数を減らすことで通信が安定し、速度が改善することがあります。
とくに、動画視聴やオンライン会議などデータ通信量が多い場面では、不要な接続をひかえるのが効果的です。
ソフトウェアを更新する
ルーターの内部ソフトウェアは定期的に更新することが重要です。古いバージョンのまま使い続けると、動作が不安定になったり、セキュリティ面でのリスクが高まったりする可能性があるからです。
定期的にメーカー公式HPで製品名を検索し、最新のアップデート情報を確認しましょう。更新方法は製品によって異なりますが、多くのルーターは管理画面から簡単にアップデートできます。
最新バージョンに更新しておくことで、性能が最適化されるだけでなく、不具合の解消や安全性の向上も期待できます。
周辺機器を見直す
ルーター以外の周辺機器が原因で速度が低下している場合もあります。古いLANケーブル(CAT5など)を使用していると、十分な通信速度が確保できません。
モデムや電源アダプターの不具合も通信障害の原因になります。ケーブルを交換したり、別のポートに差し替えたりして確認してみましょう。
周辺機器の見直し方は、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
>>モデムとルーターの違いをわかりやすく解説|見た目で判断する方法も
Wi-Fiルーターの買い替えを検討するタイミング
Wi-Fiルーターの買い替えタイミングは、寿命を迎えたときだけではありません。
通信環境を見直すきっかけとなる主なタイミングは、以下の4つです。
・症状が改善しないとき
・接続端末が増加したとき
・スマホやタブレットの機種変更時
・回線の乗り換え時
「通信速度が遅い・不安定」というストレスを解消し、快適で安定した通信環境を手に入れましょう。それでは、一つずつ解説していきます。
症状が改善しないとき
ルーターの寿命のサインが出ているときに、再起動や設置場所の見直しといった対処法を試しても改善が見られない場合は、買い替えの時期といえます。
内部部品の劣化やソフトウェアの老朽化が原因の場合は修復が難しいため、最新機種へ交換することで通信の安定性や速度が大幅に改善される可能性があるので、買い替えの検討がおすすめです。
接続端末が増加したとき
家庭内でスマホやパソコン・テレビなどのWi-Fi接続機器が増えると、ルーターへの負荷が高まり、通信速度が低下しやすくなります。複数の端末を快適に使いたい場合は、2.4GHzと5GHzの両方を使い分けられる「デュアルバンド対応ルーター」がおすすめです。
また、家の隅々まで電波を届けたいときは、複数のルーターで広範囲をカバーできる「メッシュWi-Fi」を導入するのも効果的です。
メッシュWi-Fiについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
>>メッシュWi-Fiとは?おすすめな人の特徴やメリット・デメリットを解説
スマホやタブレットの機種変更時
スマホやタブレットを新しいモデルに買い替えた際は、ルーターも見直すチャンスです。最新の端末は「Wi-Fi 6」などの新しい通信規格に対応しており、古いルーターのままだとその性能を十分に発揮できません。ルーターを最新規格に対応したモデルに替えることで、高速で安定した通信環境を整えられます。
回線の乗り換え時
光回線やインターネットサービスを乗り換える際は、ルーターの買い替えもあわせて検討しましょう。新しい回線が高性能でも、古いルーターを使い続けると回線速度を十分に引き出せないことがあります。
とくに「Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)」以前のモデルを使用している場合は、最新の通信規格(「Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)」や「Wi-Fi 7(IEEE802.11be)」)に対応したルーターへ切り替えるのがおすすめです。
Wi-Fiルーターを買い替える際の注意点
Wi-Fiルーターを新しく購入する前にチェックしておきたい2つのポイントを解説します。
・Wi-Fiルーターの搭載機能を確認する
・中古品には注意する
あらかじめ注意点を理解しておけば、購入後に「思っていたのと違う」と後悔するリスクを防げます。それでは、それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
Wi-Fiルーターの搭載機能を確認する
Wi-Fiルーターのスペックや機能は、機種によって大きく異なります。購入前には、対応している通信速度や同時接続できる台数を必ず確認しておきましょう。
複数の部屋で利用する場合は、家中をカバーできるメッシュWi-Fi機能が搭載されたモデルを選ぶのがおすすめです。また、設置や配線の手間を減らせる、光回線のONU(光回線終端装置)とルーターが一体型になった製品もあります。
ルーター一体型のONUに関しては、以下の記事で解説しています。
>>ルーター一体型ONUは便利!でもWi-Fi接続の有料・無料は回線によって異なる
中古品には注意する
中古のWi-Fiルーターは新品より安く購入できますが、注意が必要です。前の使用状況による経年劣化や内部故障が潜んでいる場合があり、すぐに不具合を起こす可能性があります。
また、古い機種はセキュリティ更新が停止していることが多く、第三者からの不正アクセスを受けるリスクも高くなるでしょう。コストを抑えたい場合でも、安全性と安定性を重視し、できるだけ新品を選ぶのがおすすめです。
Wi-Fiルーターの寿命と見極め方を把握しておこう
Wi-Fiルーターには寿命があり、長年使用していると通信速度の低下や接続不良などの不調が現れることがあります。一般的に、本体は4~5年、通信規格やセキュリティ面では2~5年が寿命の目安です。
再起動や設置場所の見直しなどの対処をしても改善しない場合は、買い替えを検討しましょう。最新機種に変えることで、通信速度や安定性の向上が見込めます。寿命のサインを見逃さず、快適なネット環境を手に入れましょう。
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